建築CG制作のフローとは?発注から納品まで、プロがわかりやすく解説

建築CG制作のフローとは?

「建築CGを依頼したいけれど、何を準備すればいいかわからない」 「制作期間はどれくらい? 修正はいつのタイミングで言えばいいの?」

工務店や不動産会社、リフォーム会社の担当者様から、このようなご相談をよくいただきます。建築CG(パース)は、お客様の成約を左右する重要な営業ツールですが、その制作過程はブラックボックスに見えがちです。

実は、建築CGの制作フローを正しく理解しておくことは、「納期遅延を防ぐ」「追加費用の発生を抑える」「理想通りのクオリティを実現する」ための最大の近道となります。

本記事では、建築CG・VR制作のプロの視点から、一般的な制作フローと、スムーズに進めるためのポイントをわかりやすく徹底解説します。

この記事でわかること
  • 建築CGの依頼の仕方と制作の7つの流れ
  • 制作をスムーズにすすめる3つのコツ
目次

建築CG制作の全体像と期間の目安

建築CGができるまでには、大きく「準備」「制作」「仕上げ」の3フェーズがあります。全体の期間感を把握しておくと、お客様への提案スケジュールを立てやすくなります。

項目目安
標準的な制作期間外観・内観 1カットにつき 約1〜2週間
特急対応最短3〜5日程度(特急料金が発生するのが一般的)
修正の反映軽微な修正で1〜2営業日、大きな変更は追加で数日
見積もりに必要な資料図面データ・仕様書・参考イメージ

制作会社とのコミュニケーションがスムーズなほど、期間は短縮され品質は向上します。

制作フロー:7つのステップ

ステップ1:お問い合わせ・ヒアリング

まずは「どんなCGが必要か」を制作会社に伝える段階です。制作会社は”絵を描く”だけでなく、「何のための絵か」を重視します。

伝えるべき3つのポイント

  • 使用目的:チラシ用か、Webサイト用か、商談の最終提案用か
  • ターゲット:20代ファミリー層向けか、富裕層向けか
  • カット数とアングル:外観を正面から1枚、LDKをキッチンから1枚 など

準備しておくと見積もりが早くなる資料

  1. 図面データ:平面図・展開図・立面図・配置図(CADデータがあれば理想的)
  2. 仕様書:外壁・床・建具の色や品番
  3. 参考イメージ:「こんな雰囲気のライティングにしてほしい」という写真
💡 ポイント

詳細な品番が決まっていなくても大丈夫です。「白系の石目調タイル」「ナチュラルなオークのフローリング」といったイメージを伝えるだけで、制作会社が適切な素材を選定してくれます。

ステップ2:モデリング(形をつくる)

図面をもとに、コンピュータ上に3次元の建物を構築します。壁・柱・窓・屋根などの構造物を1mm単位で作成する、精度が命の工程です。

この段階では、色や質感はまだつきません。「真っ白な模型(白モデル)」の状態で一度確認を行う制作会社も多く、ここで窓の位置や天井高のミスを早期に発見しておくことが、後の大きな手戻りを防ぐカギです。

💡 ポイント

図面が紙やPDFのみの場合、制作会社が数値を一から入力し直すため時間がかかります。CADデータ(DXFなど)を提供することで、制作時間の短縮と精度向上につながります。

ステップ3:アングル決定(視点を決める)

作成した3Dモデルの中に「仮想のカメラ」を置き、どの角度で画像を切り取るかを決めます。
制作会社は、単に絵を描くだけでなく「何のための絵か」を重視します。

  • 人が立ったときの目線(アイレベル)だけでなく、少し高い俯瞰アングルなど、CGならではの魅力的な視点も検討すると良いでしょう。
  • 「一番部屋が広く見える角度」「吹き抜けの開放感が伝わる角度」など、複数の案を提示してもらいましょう。

ステップ4:マテリアル設定・ライティング

形とアングルが決まったら、いよいよ「質感」と「光」を与えます。ここから一気に写真らしくなる、最も視覚的変化が大きい工程です。

主な作業内容

  • テクスチャリング(マテリアル):フローリングの木目、壁紙のざらつき、タイルの光沢感などを設定
  • ライティング:太陽光の角度・間接照明の明るさ・窓からの光の差し込みを調整
  • 家具・添景の配置:ソファ・観葉植物・食器・人物などを配置し、生活感を演出
重要

次のレンダリング工程に進んだ後は、間取り変更などの大きな修正が難しくなります。マテリアル・ライティングの確認が最後の大きなチェックポイントです。ここでしっかり確認しておきましょう。

ステップ5:レンダリング(画像を書き出す)

設定したデータをもとに、コンピュータが光の反射・影・素材感を一点ずつ計算し、高精細な画像を生成します。CGのなかでも特に専門性が求められる工程です。

  • スピード重視(リアルタイム系):Twinmotion・Enscapeなどのソフトを使い、短時間で画像を出力。商談用でその場で確認することが向いています。
  • 高品質重視(パストレース系):V-Ray・Unreal Engineなど光の物理的な反射を精密に計算。時間はかかりますが、広告や販促物に耐えうるリアルな仕上がりになります。
💡 ポイント

用途に合わせて方式を使い分けられる制作会社を選ぶと、コストとクオリティのバランスが取りやすくなります。「商談に使用するパース」と「広告用のパース」を同じクオリティで作る必要はありません。

ステップ6:初校納品・修正対応

完成した画像を確認し、必要に応じて修正を行います。

修正指示のコツ

  • 「もう少し床を明るくしてほしい」「この観葉植物を別のものに変えてほしい」など、具体的に伝える
  • 「明るく」という言葉は人によって感じ方が違います。参考写真を添えて伝えると、イメージのズレを防げます
  • 修正点はまとめて一度に伝える。多くの制作会社では「2回まで無料」などのルールがあり、まとめて指示することが追加費用の抑制につながります

ステップ7:本納品

最終確認が済んだら、高解像度データが納品されます。

  • 納品形式:JPG・PNG・PDF が一般的
  • 最近の傾向:静止画だけでなく、Instagram向けのショート動画や、スマホで体験できるVR・ARデータとして納品されるケースも増えています

制作をスムーズに進めるための3つのコツ

品番が決まっていなくても動ける

「白系の石目調タイル」「ナチュラルなオークのフローリング」といったイメージを伝えるだけで大丈夫です。品番が確定してから伝えるのではなく、雰囲気が固まり次第、早めに相談を始めましょう。

② 指示は「画像」で伝える

「明るく」「温かみのある雰囲気」は、人によって想像するイメージが異なります。「この写真のような明るさにしてほしい」と参考画像を添えることで、完成後の”こんなはずじゃなかった”を防げます。

③ CADデータを積極的に渡す

紙やPDFの図面だと、制作会社が数値を一から入力し直す手間が発生します。DXFなどのCADデータを渡すことで、制作時間の短縮・精度の向上・見積もりの正確化につながります。

まとめ:フローを知ることが最大の近道

建築CG制作は、単なる「下請け作業」ではなく、貴社と制作会社の「共同作業」です。正しいフローを知り、適切なタイミングで情報を共有することで、1枚のパースが持つ力は最大化されます。

  • ヒアリング時に目的・ターゲット・カット数を明確に伝える
  • 図面・仕様書・参考イメージを早めに準備する
  • 白モデル確認とマテリアル確認の2段階でしっかりチェックする
  • 修正指示は画像添付でまとめて一度に伝える
  • 用途に応じてレンダリングの方式(スピード重視/高品質)を使い分ける

ここまでお読みいただき、建築CG制作の流れをイメージしていただけたでしょうか。 「工程はわかったけれど、実際の図面でどう進めればいい?」「急ぎのスケジュールだけど間に合う?」といった不安がある方は、ぜひマレデザイン(MARE DESIGN)にご相談ください。

「まずは概算の納期を知りたい」「過去の制作フローの事例が見たい」というお問い合わせも大歓迎です。貴社の素晴らしいプランを、最高のビジュアルで届けるお手伝いをさせてください。

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この記事を書いた人

2004年にインテリアコーディネーターを取得、照明士の資格を保有。大手ハウスメーカーで500棟を超える打合せを担当し、建築業界に20年以上携わる。その後は住宅設備メーカーで設計・法人営業も経験。施主様と施工業者様、双方の視点から最適なCG制作をサポートしています。

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